子どもたちの大好きな遊びの一つでもある、外遊び。実は、子どもたちにとって発達面でも情緒面でもとても大切なのです。大人はどのような関わりを意識していくと良いのかも交えながら、外遊びの役割や、なぜ大切なのかをまとめてみました。
発散することの大切さ
子どもは、エネルギーにあふれています。そのエネルギーを発散する場として外遊びはとても有効なのです。子どもが安定した生活を送る上で、静と動のバランスが大切というのは保育現場においてもよく言われることです。静とは、いわゆる絵本を読んだり、制作をしたりと、机上で遊ぶということです。動は、外遊びやリトミック等、身体を使って遊ぶということです。一日の中で静の時間、動の時間が確保されていることが子どもにとってなのです。もし、このどちらかが確保されていないと、落ち着きがなかったり、癇癪を起したりという姿が見らることがよくあります。部屋で遊びに集中してほしいと思ったときには、身体を動かして遊ぶ時間を大切にしなければなりません。逆もしかりで、外遊びをもっと楽しんでほしいと思うときには、長時間外で遊ぶことよりも、室内で落ち着いて遊ぶ時間を設けてから外に出たほうが遊びが充実するということはよくあることなのです。
このバランスを大人が気にして確保することで、子どもたちの情緒は安定し、それぞれの遊びにより集中することができるのです。
梅雨の時期や、寒い日など外遊びの時間が確保できないときには、室内で音楽に合わせて身体を動かしたり、座布団やクッションを島に見立て落ちないようにジャンプで渡ったり、布団等で一本橋を作り平均台のようにその上を歩いたりと、少しの工夫で室内でも発散することができますよ。
自然の中で遊ぶことで育つ力がある
自然の中で遊ぶことは、子どもの主体性や非認知能力を育むために最高の場所なのです。特に、わたしは、遊具などがたくさんある公園よりも、なにもないところ、ただ自然物しかないような場所をおすすめします。それは、遊具などがないので、子どもたちは自ら見つけ、考え、砂や葉、石や枝などの自然物を使い、遊び出します。いつも遊びを保育士や親に決められてしまう子、つまり受け身の子は、このようななにもない場所で遊び出すことができないことがあります。それはやはり、自分でやりたいことを見つけ、考え、遊ぶという経験を大人に奪われてしまっているためです。遊ぶということは、子ども出発でないと意味がないということは、自分で考え、試し、失敗し、工夫し、という試行錯誤の経験が主体性や非認知能力の育んでいく大切な経験だからなのです。遊具のある公園は、子どもにとって魅力的かもしれません。ですが、なにもない空き地のような場所で遊ぶこともしてみて下さい。きっと、親も子どもも新しい発見があること間違いなしだと思います。
好奇心を育む
例えば、公園で自分のお子さんがどんぐりを拾ったとします。その後、どのような関わりをしていきますか。「どんぐりだね。」と声をかけて終わるのか、家に帰ったあとに部屋にどんぐりの本を飾っておくのか。その関わり一つでその子の興味関心をぐっと広げられることがあるのです。きっと、どんぐりを拾った後にどんぐりの本が目に付くところに置いてあれば、その本を開き、自分の拾ったどんぐりを探したり、どんぐりにはたくさんの種類があることに気付いたり、はたまたそれぞれの木にも違いがあることに気付く子もいるかもしれません。そのような経験を通して、子どもたちは”知るって楽しい!”と体感していくのです。楽しい!もっと知りたい!という思いが、好奇心を育み、子どもたちの世界を広げていくのです。お子さんをよーく観察してみて下さい。なにに興味を持っているのか、もっと興味を広げるためにはなにが有効なのか。絵本や図鑑を部屋に置いてみたり、鉄道博物館や恐竜博物館に出かけてみたりと、好奇心を育むためには、大人の関わりや絵本を置いておくなどの環境設定が大切なのです。
外遊びの際に頭の片隅にでも、外で遊ぶことの大切さや、そこに大人がどう関わっていくとよいのかを少し意識していただけるきっかけになったら幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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